財産分与義務者から,財産分与を求めることはできるの?
2015-04-18
名古屋市熱田区の離婚事件
名古屋市在住のVさんは,名古屋市熱田区で妻と生活していましたが,Vさんの不倫が原因で,現在,離婚協議を進めています。
Vさんは,妻との間で協議離婚が成立しなかったため,離婚調停・離婚裁判をしようと考えています。
なお,夫婦の財産としては,Vさん名義のものが多いため,財産分与をした場合には,Vさんから妻に対して財産分与をすることになりそうです。
Vさんは,離婚裁判と同時に,財産分与についても取り決めたいと考えています。
Vさんは,財産分与の義務がある立場にありながら,財産分与の請求をすることができるのか確かめるため,弁護士事務所の無料相談に行きました。
裁判例は分かれています。
裁判例の中には,財産分与義務者からの財産分与の申立を認めたものもあれば,財産分与義務者からの財産分与の申立を認めなかったものもあります。
基本的には,財産分与の申立はできないものと考えられています。
申立人が財産分与を求めた場合に,逆に申立人から相手方への財産分与を認めることは,申立ての範囲を超えているものと思われます。
また,財産分与は,離婚後2年間は申し立てることができますから,財産分与の機会がなくなるわけでもなければ,財産分与義務者が不当な不利益を受けるわけでもありません。
こういった理由から,申立人からの財産分与の申立は,基本的には認められないものと思われます。
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