離婚時に賃借権等を設定することはあるの?
2015-04-15
名古屋市北区の離婚事件
名古屋市在住のSさんは,名古屋市北区で妻と生活していましたが,Sさんの浮気が原因で,現在,離婚協議を進めています。
Sさんと妻は,Sさん所有の自宅建物に居住していました。
Sさんの妻は,自宅建物を取得するだけの資力はありませんが,自宅建物に住み続けたいとの意向を有しています。
Sさんは,このような場合に,どう財産分与をすれば良いか相談するため,弁護士事務所の無料相談に行きました。
離婚の際に賃借権等を設定する場合もあります。
財産分与は,基本的には,金銭の支払いでされるものであり,ほとんどの場合,一時金の給付が命じられることになります。
しかしながら,不動産を取得したい配偶者が,その不動産を取得するための代償金を支払えない場合があります。
裁判例の中には,一方配偶者の居住権を確保するために,他方配偶者が不動産を取得するものの,従前の居住建物に賃借権その他の利用権を設定した裁判例もあります。
賃借権等を設定する場合には
離婚の際に,賃借権その他の利用権を設定する場合には,紛争当事者の人間関係が離婚後も残ることになります。
また,不動産の賃借関係をめぐって,将来紛争が生じる可能性もあります。
したがって,基本的には,財産分与の際には,賃借権等の利用権を設定するのではなく,金銭で財産分与をし,その金銭によって新たに物件を借りる方が好ましいかもしれません。
←「居住用不動産の財産分与の方法とは?」前の記事へ 次の記事へ「債務を負担する財産分与は認められるの?」→